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夫婦ともに高齢になってくると終活を考えるタイミングが来ると思います。
今回は、葬儀について考えてみましょう。
葬儀は少なからず残された人の負担になってしまうので、事前に準備しておけると安心です。パートナーのこともそうですが、ご自身のことも少しずつ整理や準備をしていきましょう。

葬議会社の種類

葬儀会社には大きく分けて4つあります。

  • 専門葬儀社
  • 葬祭の関連会社
  • 冠婚葬祭互助会
  • 共済

専門葬儀社は、一般的に葬儀屋と呼ばれる自社会館を持っている業者や、公営式場で葬儀を執り行う業者です。葬儀社は主に、仕出しやギフト、霊柩車の手配など、葬儀をコーディネートする業者です。
葬祭の関連会社というのは、JAや生協のことを指します。葬儀社と提携して組合員を対象に執り行っていましたが、最近では独立して葬儀を手掛けているところもあるようです。
冠婚葬祭互助会は、若い世代ではあまり知らない人もいるかもしれませんが、会員制の積み立て予約をする葬儀社です。葬儀以外の冠婚葬祭でも利用できるので、結婚式や七五三などにも活用できます。
共済は、組合に登録して月々の会費を支払うことで、葬儀費用を支払ってくれる仕組みの業者です。互助会は積み立てた分のサービスを受けられますが、共済では現金で受け取り、葬儀費用に充てられます。

葬儀社は認可や資格取得の必要がないため、異業種からの参入も増えています。
ホテルや鉄道業者、ブライダル業者などが葬儀社をしている場合もあり、異業種の葬儀社は価格に大きな差があるのが特徴です。選ぶ時にはどういった種類の葬儀社なのかを確認しましょう。

葬儀費用が明確かどうか

葬儀の事前予約をしない限り、葬儀の費用はあまり知る機会がありません。葬儀にかかる費用を事前に知っておくと、突然の訃報にも安心して任せられます。葬儀の予算を立てやすくなるので、基本の料金体系は覚えておきましょう。

葬儀の費用項目

一般的にかかる費用はこちらです。

  • 祭壇:30〜120万円
  • 施設:民営20万円~、公営:5万〜10万円
  • 人件費:2万5,000円~/人
  • 霊柩車:1〜5万円
  • マイクロバス:3〜5万円
  • 通夜料理:2,000〜1万円/人
  • 精進落とし:3,000〜5,000円/人
  • 返礼品:5,000〜1万円/人
  • 宗教者の費用:15万〜30万円
  • 戒名料:15万〜30万円
  • お車代:5,000〜1万円
  • 御膳料:5,000〜1万円

家族葬・密葬

家族葬や密葬は、どちらも小規模で執り行う儀式を指します。
平均価格として、110万円ほどが相場です。小規模とは言え、祭壇や棺桶、遺影、香典返し、通夜料理、霊柩車など一般葬と変わらない内容のサービスが受けられます。その中でも選ぶグレードによって金額の差がありますので確認しましょう。
家族葬や密葬では参列者が少ない分、スタッフの人数を削減できたり、料理や返礼品などの数量を減らせたり調整ができます。費用をコンパクトに抑えたい場合は、祭壇を花祭壇ではなく白木祭壇を利用するといいでしょう。10万円ほど価格に差が出ます。
100万円以下で葬儀を執り行ってくれる業者もありますので、事前に見積もり相談を受けておくのがおすすめです。

一般葬

一般葬では、187万円ほどが相場となっています。最低価格の地域では一般葬が80万円程ということもあり、地域によって差がありますので確認しておきましょう。また、宗教によっても費用が異なりますので、各家庭の宗派を調べておくことも必要です。
故人の友人や仕事の関係者、付き合いのある人が参列され、たくさんの人と故人との別れの時間を過ごします。エンディングノートに呼びたい人が記載されている場合は、連絡を入れて参列してもらいましょう。人数が増える分、家族葬や密葬に比べ、返礼品や香典返し、食事の費用が高くなります。
事前予約や、資料請求などで割引が適用される業者もありますので、費用を抑えたい方は調べてみるといいでしょう。

一日葬

一日葬では、44万円ほどの相場となっています。
一日葬にはお通夜がなく、葬儀と告別式、火葬までを1日で執り行います。そのため、施設の利用金額や通夜料理の費用などを抑えられるのが特徴です。参列者に高齢者が多い場合や、喪主が高齢で長時間の儀式は体力的に厳しいという場合に、一日葬を選ぶことが多くなっています。
ただ、菩提寺の許可が得られるかは事前に確認しておきたいポイント。お通夜を執り行わないとお墓への納骨を断られてしまうことがありますので、一日葬を執り行う前に相談しておきましょう。また、葬儀社の中には一日葬を取り扱わない業者もあります。一日葬を予定している方は、執り行ってくれる葬儀社を探しておきましょう。

寄り添って考えてくれるかどうかで選ぶ

事前予約や相談をする場合や、突然の訃報で急遽依頼する場合でも、選ぶ時に見ておきたいポイントがあります。

契約を急がせない

突然の訃報で気が動転している状態だと、心理的に言われるがまま契約してしまうことがあります。落ち着いて判断ができない時に、契約を急かしてくるスタッフには注意しましょう。
また、たくさんのオプションを提案される場合もあります。故人が希望していた葬儀ではない規模になってしまったり、予算を超えてしまう費用を請求されてしまったりすることも。後悔のない選択をするためにも、契約を急かしてくる業者はお断りしましょう。大切な人との最後の時間を過ごすために、納得した契約をしてくださいね。

説明が丁寧かどうか

スタッフから色んな提案をされて、知らない用語が飛び交うこともあるでしょう。分からないことに一つひとつ質問して、丁寧に回答してくれるかどうかが良い業者か見分けるポイントです。
電話での打ち合わせで、上手く伝わらない時でも時間をかけて説明してくれるスタッフは信頼してもいいでしょう。費用やスケジュールなどは、きちんと理解できるまで質問して詳細を確認しておくことが必要です。不要なオプションを進められた時は断る勇気を持ちましょう。断った時に、粘ってくる業者はおすすめできません。説明が明確で、無理強いしてこない葬儀社を選んでください。

費用の説明は分かりやすいか

費用については相場を覚えておけば安心です。最初に予算を提示しておくと予算に合わせたプランを紹介してくれます。相場より高い費用を提示してくる業者にはグレードを下げる提案をしてみましょう。また、費用が高額になった理由を質問した時に、きちんと答えられるかが判断基準になります。ベースのプランに豪華なオプションをつけ過ぎてしまうと、祭壇がチグハグな装飾になってしまうことがありますので、オプションの内容や費用についてしっかり確認しておきましょう。

スタッフの対応から判断する

誰しも葬儀の経験はそんなに多くはありません。分からないことにアドバイスをしてくれたり、意思を尊重してくれたりするスタッフのいる葬儀社を選びましょう。
混乱している状況を汲み取った対応や、配慮した心遣いをしてくれるかどうかがポイントです。参列者の予想人数を聞かれても答えられないと思いますが、良い葬儀社のスタッフは会話なのなかで人数を予測して提案してくれます。対応力が高いスタッフのいる葬儀社では、イレギュラーで返礼品の過剰発注になったり、追加発注が必要になったりした時でもスムーズな対応をしてくれるでしょう。

葬儀社は事前に調べておきましょう

葬儀社には複数種類がありますし、葬儀の方法もたくさんあります。突発的な訃報にも慌てず対応するためにも、事前に調べておくことが大切です。生前契約という方法もありますので、葬儀社の事前相談や資料請求などをして比較してみると良いでしょう。
また、ご自身の準備の場合はエンディングノートに記載しておくのも忘れないようにしてくださいね。

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