高齢者の方に多い新型栄養失調とはどういう状態なのか
食欲があるという事は健康であるという事、食べることができるという事は病気になっても回復力が早く、やはり「食べる」という行為は生きる上で非常に大切な事です。
高齢になってご家族が心配されること、それは「食が細くなる」ことで、食が細くなると風邪を引いただけでも重症化してしまったり、回復が遅くなるなど、健康上大きな支障をきたす恐れがあるからです。
食が細くなるということ、さらに食事について肉を食べないほうがいい、野菜をたくさん取る方がいいと健康的な面を考えすぎて、蛋白質不足になっている高齢者が多くなっています。
また高齢ではなくても、毎日忙しく働いている働き盛りの方々に、必要な栄養を摂取できていないなどの問題がクローズアップされています。
こうした食が細くなったり、食事をしていても必要な栄養素が摂取できていない状態を新型栄養失調といいます。
一人暮らしをされている方は要注意
一人暮らしの高齢者も多くなっていますが、一人暮らしのサラリーマン、単身赴任のお父さんなどにも新型栄養失調状態の方が見られます。
忙しいので食事はもっぱら外食、若しくはコンビニなどのお弁当となれば栄養も偏ります。
一人暮らしの高齢者の場合、一人で食事するということから食が細くなるという事もありますし、あまり動くことがないので食欲がなくなるという事もあります。
また、一人暮らしなので野菜を買っても使い切る事が出来ず、結局スーパーのお惣菜やコンビニのお弁当などで済ませる事が多くなり偏った食事しかできなくなるという事もあります。
主婦の方もしっかり食事されているようで、実は、家族の残り物をお昼に頂くなど、もったいない精神から栄養が偏っているという状態の方も多いので、新型栄養失調は高齢者を中心に幅広い年齢の方が陥っている可能性が高いといえるのです。
あなたは新型栄養失調になっていない?チェックが必要です
そういえばこういう食事ばかりだなとか食が細くなっていると感じている方は、新型栄養失調かどうか、チェックをしてみるといいでしょう。
野菜中心と考え肉や魚などをあまりとっていない、逆に野菜が嫌いで肉、魚ばかり食べている、インスタント食品、コンビニのお惣菜、スーパーのお惣菜などで済ませることが多い、ラーメン、スパゲティ、カレーなどの炭水化物の多い食事の頻度が高い、夏でも足先が冷たいと感じたり、常に目が疲れていると感じる事が多い・・・といったチェックを行ってみて、数が多い方は新型栄養失調になっている可能性が高いといえます。
ただ、一つの項目しか当てはまらないという方でも、例えば健康の事を考えて野菜中心、肉、魚などのたんぱく質はあまりとらないという食事をされている方は、エネルギーものとになり筋肉の維持となる蛋白質が足りていない状態かも知れません。
この場合、新型栄養失調となっている方もいらっしゃるので、チェック項目が少ないという方でも食事をしっかり見直す必要があるのです。
バランスよく食事するというのは非常に難しい事だと思いますが、最近は高齢者向けの栄養バランスをよく考えたお弁当を宅配してくれる業者もあります。
コンビニのお弁当でも栄養バランスを整えたお弁当がありますし、お惣菜を買って食べるという方も野菜、お肉・魚、海藻類などのメニューをまんべんなくチョイスするなど、食事に気を使う事で少しでも栄養失調状態を避ける事が出来ます。
食事で取り切れない栄養素はサプリメントや健康補助食品で補うこともできます。
自分のライフスタイルの中で食事のバランスをより良くできる動きを考えていきましょう。